ユニコーンを探しに…☆ミ

ブックレビュー(和書・洋書)、創作ポエム、コラージュ、チョークアートetc…気ままに創作活動していきます🍀

『ファミリーツリー』小川糸

ファミリーツリー

小川糸

 

 
 

 

この物語は、ぼく(流星こと、リュウ)とリリーを巡る、同じ血が流れる家族のお話。ぼくのひいおばあさんの菊さんは信州の穂高で「恋路旅館」を営んでいました。両親は共働きのため、ほとんど家におらず、菊さんとスバルおじさんと過ごす時間が多かったのです。年子の姉・蔦子と遠い親戚で東京に住んでいるリリーとぼくの3人は毎年夏になるといつも一緒に遊んでいました。あの忌まわしい出来事が起こるまでは。。。

 

毎日が夢のように楽しいと思えた子ども時代の一瞬一瞬のきらめきや子どもから大人へと心も体も成長していく2人の微妙な関係性を的確に捉えて言語化されていて、わたし自身の幼少期を想い出し懐かしい気持ちになりました。誰もが一度は経験する、性への目覚めや戸惑い、人を愛するとはこういうことか、、、!とハッとさせられる1文に出会えます。

 

ご先祖さまから代々受け継がれてきた私たちの尊い生命(いのち)を、これからも次の世代へ繋げていくことの大切さを改めて考えさせられました。わたしの個人的な1番のお気に入りのキャラクターは菊さんです。はるばる東京に来てリュウとリリーと3人で初めて飲んだスタバのドリンクの容器を大切に持ち帰り、毎日花を飾ざっていた菊さんの人柄に触れ、わたしもいつかそのような人になりたいと思いました。体は消滅しても、目に見えない大切なものは残された人たちの魂に確実に伝わっています。家族を疎ましいとさえ感じていたリュウの心に変化をもたらしたのは、やはり家族の温かさであり愛する人の力でした。💖💖💖